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宗教儀式に用いられた香は、平安時代には、当時の貴族達が生活を楽しむために愛用されるようになりました。
香を、衣服・頭髪・部屋などにたきこめる「空薫物」(そらだきもの)の習俗が生まれ、やがて、衣服に独特の香りをたきこめることで自分の存在を示すようになりました。
そのころの薫物は今の「練り香」(ねりこう)にあたり、沈香や丁字・白檀・甲香などの香木を粉末にし、好みに応じて麝香(じゃこう)などを加え、梅肉や蜂蜜で練り固められたものです。
これらの処方は、それぞれ工夫して秘密のもとに作られ、家代々に伝えられました。 薫物の配合技術の向上は、やがて薫物のもつ幽玄な香りをたきくらべて鑑賞し、技術や香りの優劣を競う「薫物合」(たきものあわせ)という雅やかな遊びに発展し、貴族の遊びとして流行していた歌合せ・貝合せ・絵合せとともに、「香」が当時の貴族文化を彩りました。 |
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