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≡ クレオパトラの寝室 ≡
好みは変わってもよい香りが人をひきつけるのはいつの世も同じ。最近はもう一歩進んで、香りの効果を暮らしのいろいろな場面に積極的に活用しようという動きが盛んですが、やすらかな眠りを得るための香りについては、古よりその重要性が認められていました。


一説にクレオパトラも愛用したと伝えられる“キフィ”はその代表例。眠りを心地よくするために考えられた古代エジプトの香りの処方で、現在でも漢方薬として使用される植物を数種組み合わせたものです。没薬、シプレス、ジュニパーベリーなどを粉末にし、蜂蜜で練り合わせたもので、寝室にその香りを漂わせると眠りを誘い、悩みを和らげる香りであると伝えられています。当時は原料を集めることも、それを粉末にすることも、現代のように容易ではなかったはずです。その費やした労力からは、満ち足りた眠りに対する熱意が感じられます。


クレオパトラには、他にも香りにまつわるたくさんのエピソードが残されています。


「ジャスミンやバラを浴槽に浮かべ、ゴージャスな雰囲気で入浴していた」「晩餐会ではくるぶしが埋もれるほどバラを敷き詰めた」などなど。


現代の調香師はバラの香りをひきたてるために動物系の香り「シベット」を用います。クレオパトラもその効果を感覚的に知っていたのでしょうか。部屋にはバラの花を敷き詰め、からだにはシベットの香りをまといました。そんな細やかな香りの自己演出も人々を魅了する一因となったようです。
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